「どぅした?」 頭上から、彼の声が聞こえる。 「もぅ終わりか?」 くくくと、彼は喉をならした。 辺りをちらりと伺うと、誠次は部屋の隅に控えていた。 ……どぅして…。 途端、胸ぐらを捕まれ宙に浮いた。 顔をはっきりと見ることができた。 紅い紅い、瞳。 虚ろな視界が、滲んでいく。 ……ぶっ飛ばしてやる! そぅ決意したが、足は動かない。 痛みが走る。