差していた脇差しに手を掛けた。 「俺を殺すか?」 紅の瞳が笑った。 息が乱れて仕方がない。 まさか、誠次と言う男。私の仇がここに居ると知っていた? ……まぁ、そんなことはどうでもいい。この男ともう一度出会えたのだから。 刀を少しずつ抜いていく。 相手は忍。人ではない。 「どうした。………来いよ」 少女は、渾身の力で彼に飛びかかった。 二人の再会はあまりにも残酷で、悲しいものだった。 だか、ここから物語は始まった。