「殺されなくて良かったな」 その言葉を聞いた途端、何かが弾けた。 思い出す過去。 炎に包まれた家。 目の前で倒れた両親。 そして、彼は押入の中に身を潜めた私に向かって呟いた。 「殺されなくて良かったな」 「!!」 ………あのときの!! 憎くて憎くて、殺してやりたかった男。