「おはようございます。」





朝早くに、調理場に行くとお梅さんが朝ごはんを作っていた。





「ゆ、悠希はん…?」




動揺したように瞳を揺らすお梅さんに、私はにっこり笑った。




「胡瓜切ればいいんですか?手伝います。」


「ちょ…悠希はん…?」


「あ、大丈夫ですよ!今日は一番隊は昼から巡察だし、朝稽古もまだなんです。それに、料理はちょっと得意だし…」



「そうじゃなくて!!!なんで…?」





なぜか泣きそうな顔をしているお梅さんを、そっと見上げる。




「…関係ないんです。」



「え…?」



「お梅さんが私を信じてなくったって、疑っていたって、私には関係ないんです。」





トントントン、と胡瓜を切る規則正しい音が静かに響く。






「私は、お梅さんの事、信じてますから。」









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