悠希のいなくなった部屋で、梅は小さくため息をついた。 悠希の血が鉄の匂いを残した。 真っ赤に滲む畳を見て、もう一度、ため息をつく。 「見事じゃのう、梅。」 奥の襖が開いて、小太りの男が入ってきた。 薄い笑顔を貼付けて。 「…いつからいたん?」 「初めからじゃ。あの小僧の気配に気付けても、ワシには気づかんかったようじゃのう。」 あの小僧、というのは監察方の山崎奨のことである。 「山崎はずっと、悠希はんを見張ってた…つまりあの子は全く信用なんかされてへん。」 .