「ええこと、教えてあげる。」
そっと囁かれて、背筋が思わず凍った。
「…この世界で信じていいのは自分だけや。」
「自分…だけ…?」
「そうや。誰もが自分の命を狙ってる。そうやって疑心暗鬼にならな、生きていけへんよ。」
疑心暗鬼に…
誰もを疑って、表面だけで笑って…
お互いに疑い合って生きていくなんて…
もしこの世界が本当にそうやって廻っているなら…
「…そんな世界、悲しいわ…」
思わず呟いて、小さく笑う。
「私は…お梅さんも疑わなきゃいけませんか?」
「そんなん知らんわ。自分で決めるしかないやろ?」
.
