道場は、現代のものとあまり変わらず、広さは充分にあった。
「では各自稽古を初めてください。」
沖田さんの言葉でそれぞれ二人組になって打ち合いを始めた。
威勢のいい声が道場に響いた。
私も誰か探さなきゃ、とキョロキョロしていたら、沖田さんが私の前に立ってにっこり笑った。
「悠希さんの相手は、私が勤めますよ。」
その笑顔に、何か違和感を覚えつつも、私は小さく頷いた。
「…よろしく、お願いします。」
佐伯さんの心配そうな顔が、チラリと見えた。
「では、構えて。」
深い深呼吸をして、私は竹刀を中段に構える。
沖田さんの構えは…上段。
上段の構えは、攻撃が繰り出しやすいが、守備も甘くなる構え。
普通最初は中段で様子を見るものなのに…
随分挑戦的だと思う。
多分、様子を見るまでもないと思われてるのかもしれない。
「悠希さんから、どうぞかかってきて下さい。」
「…はい。」
.
