目を覚ますと、そこはいつもと違う天井が広がっていた。

ゆっくりと頭を動かすと小さな和室。



ぼんやりとした頭で、漸く昨日のことを思い出した。




「本当だったんだ…」




一瞬でも夢だと思った自分を自嘲する。


失望に似た気持ちのまま、横になっていると、襖の向こうに気配を感じた。




「悠希さん?起きてますか?」



これは…沖田さんの声だ。




「はい、起きてます。」



少し掠れた声でそう返事をすると襖が開いた。




「おはようございます。今日は一番隊が早朝巡察なので着替えて門に集まって下さい。」



「巡察…?」



「あ、隊務の内容を話してませんでしたね。巡察は市中を見回って、攘夷浪士を取り締まるんです。」



なるほど。
現代の“巡察”と意味はあまり変わらないんだ。



「…じゃあ、攘夷浪士って、なんですか?」



この質問に、沖田さんは少し驚いた顔をした。







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