「な、なんでもないわ。それより、外が騒がしいわね。」
何かしら?と呟いて、話を変えるように、戸口に手をかけて外に出る。
カランコロン、と下駄が可愛らしい音を鳴らす。
昼下がりの町は、人々で賑わっていた。
その遠くに見えたのは、空によく似た浅黄色。
「嫌やわぁ…壬生浪どもが…」
「はよ家ん中入りぃ…」
どくん、どくんと、心臓が脈を打つ。
忌み嫌うような視線を浴びながら、まるでそれに気づかないように、まっすぐ歩く、彼らに。
怖い。逃げたい。隠れたい。
泣きたくなるくらいの恐怖なのに。
どうして?
会いたい。
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