叫んで、いたらしい。
呼吸が荒れて、まるで水の中に沈められたみたい。
苦しい、と思うけど、それを止める術を私は知らない。
「…辛かったな。」
ふと、落ちてきた言葉が心に跳ね返った。
それは、波紋のように広がっていく。
「…怖かったな。」
積み重なるように、降り注ぐ、言葉の雨。
優しい、色。
「頑張ったな。」
無くした色を、取り戻す。
再び色づいた世界で、
私は大きな体に、
抱きしめられていた。
「こんな小さな体で、いっぱい担いできたんだな。」
温かい…
優しく撫でられる頭が、
心地好い。
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