サクラ咲ク




「悠希くん!?どうしたんだ!?」




遠くで、慌てた声が聞こえた。
だけどそれに構う余裕は、私にはなかった。





「もう嫌!!!私が、何をしたの!?」




「悠希くん、」




「ただ、平和に生きたかっただけなのに!!!」




「悠希くん、」




「何も、求めたりしなかったのに!!!!」




「悠希くん、」




「なんで私ばっかり!!」




「悠希くん、」




「なんで…なんでお母さんは私を捨てたの?」




「…………。」




「ねぇ、なんで?私は死ねないの?」




「………?悠希くん、」




「ねえ、どうして?」




どうして私は死ねないの?




どうして私は、泣けないんだろう。






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