何もかも、色褪せていく。
さっきまであんなに輝いて見えた京の町並みも、
真夏の眩しい太陽も、
青過ぎる空も、
気まぐれな浮雲も、
色を無くして、
私を拒絶した。
『イラナイ』、と誰かが呟いた。
紛れもなく、それはもう一人の私の声。
――『オ前ナンテ、イラナイヨ。』
やめて、やめてよ…
――『最初カラ必要ナカッタ』
――『ダカラ、捨テラレタ。』
――『母親ニモ、時代ニモ、』
――『コノ世界ニモ、捨テラレタ』
やめて…
――『哀レダナァ…』
やめてよ…
――『死ニスラ、受ケ入レラレナイ。』
「嫌ァァァァアアアアア!!!!!!」
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