「・・・なぁ、トシ。一つ聞かせてくれないか?」
不意に、近藤さんの真剣な声が静かに響いた。
「お前らは、何を話してんだ?」
近藤さんの、趣旨の分かりにくい言葉。
私にはさっぱり解らないけど、土方さんには通じたらしく空気が張り詰めた。
「最近、夜な夜な俺以外の幹部で何か話し合いをしていることぐらい、気付いていたさ。」
夜な夜な・・・?
近藤さん以外で何かが話し合われていた?
壬生浪士組の大将は近藤さんなのに、なぜかしら。
「・・・気付いていたか。まだ確証のない話だから黙ってるつもりだったんだが・・・」
土方さんは一度そこで言葉を止めた。
「・・・内部の情報が、敵に漏れている。向こうの密偵でこちらにいることは間違いない。」
密偵って・・・スパイとかのこと?
敵がこちらに紛れこんでいる、ということかしら。
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