「それにしても、悠希くん。こんな朝早くにどうしたんだ?」
優しく尋ねられて、忘れていた本来の目的を思い出した。
「目が醒めてしまったので朝ご飯を作るお手伝いをしようかと・・・何か私に出来ることはありませんか?」
そう言った私に、山南さんは嬉しそうに笑った。
「助かるよ。今日は私と藤堂くんが朝餉の当番なのだが・・・彼はよく寝坊するんだ。悪いが、この長ネギを切ってくれるかな?」
藤堂さん、よく寝坊するんだ・・・
確かに、朝は弱そうな気がする。
私は手渡された長ネギをまな板に置き、包丁で細かく切っていく。
規則正しい包丁の音が、静かな朝の台所に響いた。
「・・・うまいものだね。驚いたよ。」
切り終わったネギをお味噌汁に入れると、山南さんはそう言ってくれた。
お世辞なんかじゃなくて、素直にそう言ってくれてるのが分かるから、嬉しくなる。
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