お互い黙り込んだままただ歩く。



だけど私に合わせてゆっくり歩いてくれているし、さっきも庇ってくれたし、

悪い子じゃない。



「麗くん、あの・・・ありがとう。色々してもらっちゃって・・・」



「・・・別にあんたの為じゃないし。」




プイッとそっぽを向いてしまったけど、その頬が赤く染まって見えた。


暗がりの中だから、ただそう見えただけかもしれないけれど。




「・・・それでも、ありがとう。」



そう言った私に、麗くんは大げさに溜め息をついた。




「変な女だね。あんた歳はいくつ?」



「17歳だけど・・・」


そう答えた瞬間、麗くんは心底嫌そうな顔をした。




「・・・俺、年上嫌いだし。」





それを聞いて思わず苦笑いしてしまう。



「そんなんじゃ、世界中嫌いな人だらけね。」



「・・・煩い。」




拗ねてしまったかしら。


思わず可愛いと思ってしまうのは、その本心が少し垣間見えたから。




.