「ね、悠希ちゃん。お願いだから来て頂戴。何かあってからでは遅いのよ。」
きっとこの人は私を心配してくれてる。
私を養女にしたって何のメリットもないのに、そう言ってくれるのは、お菊さんが優しいから。
「女の子なんだから、女の子としての幸せを掴んで欲しいの。わかってくれる?」
「…私、は………」
ここにいれば、きっと自分の命は今の何倍も保障される。
お菊さんは最後まできっと優しく、本当の娘のように接してくれるだろう。
それに…
人を、斬らなくてすむ…
私に誰かを殺すなんて、出来ない。
だってそんな概念を知らないから。
この時代の忠義も美徳も、私には理解できない。
殺し合う概念も、誰かにかける忠義も、美徳も、現代の私たちが捨ててきたものだから。
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