「大体、俺、男だし!!!可愛いとか厭味にしか聞こえないから!!!!」
「だからってその態度!?そんなんじゃ、お客さん来ないんじゃないんですか?」
「お前に心配されなくても繁盛してるから!!!」
ギャーギャーと言い合い、お互い肩で息をする。
馬鹿らしいと思うけど、言い返さずにはいられない。
「…お前、嫌い。」
ボソリ、と呟いて、私をギロリと睨んだ。
睨む顔さえ絵になって、それがまたむかつく。
「…別にあんたに好かれたくもないし。」
言い返して負けじと睨み返す。
沈黙の中、ただ睨み合う。
なんで、こうなったのかしら?と自分に呆れながらも、その視線を外したくない。
負けたくない、と子供みたいな意地を張る。
「ちょっと麗~?何を騒いでるの~?」
沈黙を破ったのは、小柄な可愛らしい女性だった。
「ゲッ…母さん…」
心底嫌そうな顔をして、そう言ったのを見て、この人が立花菊さんだと知る。
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