ガキン、ガキンと刀のぶつかり合う音が響いた。



私と沖田先生は自然と互いに背中を預けて戦う体制になっていた。




なるべく血を流さないように、と言ったのはここが宿の中だったからだと思う。


血だらけになった宿なんか、あまりいい印象は持てないから。





斬りかかってきた浪士の刀を弾いて鳩尾に思い切り蹴りを入れる。




その要領で後二人倒した時、もう立っている浪士はいなかった。





「…沖田先生ったら、一人で五人も倒しちゃったんですね。」



振り返って笑うと、沖田先生はおかしそうに笑った。




「自分の倒した浪士の数なんて数えてませんよ。」





そう言って、倒れた浪士達に縄をかけているのを見て、私も慌ててそれを手伝った。






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