それは一番隊の午後の巡察の時だった。





「御主ら、壬生の狼の沖田総司だな!?」




私沖田先生で宿の帳簿を確認していたら、不逞浪士に囲まれた。




「ひぃ!!!」



宿主が悲鳴をあげ、座り込んだのが見えた。





「…悠希さん。宿の中なのでなるべく血を流させないで下さい。」




沖田先生が私にそう呟いて、刀を抜いた。




「はい。」




私も刀を抜き、構える。


竹刀の数十倍重い、この真剣の重さには未だに慣れない。




敵の数は八人。

対してこちらは他の隊士さんと別行動中だったから、私と沖田先生だけ。



単純に考えて、一人四人相手にすることになる。





できる、かしら。




刀を持つ手に力を込めて、息を整える。



一瞬、静かな沈黙が広がる。







「っやあぁぁぁぁぁ!!!!」






そう叫んで一人の浪士が飛び出してきたのを合図に、他の七人も飛び出してきた。







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