へたれだって恋・・・らしきもの・・・をすることもある、て話~ヘタコイ~

「シューズはどうした?」

言われた瞬間に、
カッと耳が熱くなった。

シューズのことか。

あれから通学用のスニーカーでそのまま部活もやっていた。誰にも言わなかったけど、誰も何も言って来なかった。

黙っていると
「シューズはどうした?」
と少し大きな声で再び訊かれる。

「・・・無くしてしまって・・・」

「シューズがないならピッチに立つな。」

ピッチ?
グランドのことかな?

「シューズがない間は1年と一緒に走っとけ」

グランドを大きくランニングしている1年生の列が遠くに見えた。

「はい」

と走りだそうとすると、

「おい、おまえ。荻野に2、3年の練習に合流するように伝えろ」

と声をかけられた。

「わかりました」

と走りだすと、後ろから

「おまえら聞け~。道具を大事にしない奴は、スポーツをする資格がないんだぞ~!」

と怒鳴っている先生の声が聞こえた。