へたれだって恋・・・らしきもの・・・をすることもある、て話~ヘタコイ~

トイレを借りようと、店の中を見渡して、奥にトイレがあるのを確認した。

店員さんに一言断わろうとした時、トイレの扉が開いた。
中から出て来たのは、フミエちゃんだった。

・・・見付けちゃった。

フミエちゃんは僕に気付かず、店内を進んでくる。

僕は一歩踏み出して、フミエちゃんの正面に立った。

フミエちゃんは避けようとしたけど、僕がどかないで通路をふさいだので、機嫌悪そうな顔でやっと僕の顔を見た。

フミエちゃんの細い目が大きくなる。

驚きで何も言えないでいるフミエちゃんに、
「探したよ」

と僕は言った。