…だけど 駄目だよな。 なに考えてんだ俺。 「っすいません」 俺は慌ててお嬢様から離れた。 ――― 『え〜、お集まりの――』 会場の奥のステージから、有島様の声がマイクを通じて会場に広がる。 このままだとお嬢様は婚約させられてしまう… どうする… どうすればいいんだ俺は!! 「…葵君」 そんな時、俺の服を引っ張ったお嬢様。 「葵君は……」