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「起きて下さい」
「ん…」
「起きて下さい、優海お嬢様」
ぱちっ、と目を開く。
あぁ、私いつのまにか寝ちゃってたんだ…
起こしてくれた人にお礼言わなきゃ。
「すいません起こしていただきありがとうございます……って誰?」
私を起こしてくれたのは私と同い歳位の男の子。
「はじめまして優海お嬢様。これから有島家で働く事になった永井 葵と申します。」
男の子は礼儀正しく自己紹介をしてくれた。
葵君っていうんだ。
さらさらの黒髪、長い睫毛にくりっとした眼。はにかんだ笑顔がとても素敵で…
俗にいうかっこ可愛い感じ。
って私!何考えてるのよ。
でも初めて会うのになぜか1度彼を見た事がある気がする。
「これからよろしくお願いします。」
彼から差し出された手にドキっとしながらも握手を交わす。
「こちらこそ。…あの、どうしてこの部屋に?」
そして気になっていた事を聞いてみた。

