優海お嬢様はニコっとしてお礼を言ってきた。 「葵君、さっきの…」 …聞こえてたか。 「あぁ。あれは僕ですよ」 すっかり"執事モード"に戻った俺に安心しているようなので、俺はホッと息をついた。 …が問題はここで終わりではなかった。 お嬢様の首に結んであるはずの紐が取れてしまっていたのだ。 そんな事に気付いていないお嬢様は俺に近づこうとして… 「…っ」 俺は顔がみるみる内に赤くなっていくのがわかった。