「あ…葵?」 おそるおそる私は葵と呼んでみた。 「何?お嬢様」 そしたら初めて会った時のような可愛い笑顔を見せてくれた。 「お嬢様、絶対あんな変態と婚約するなよ。」 「しないよ!だって葵が守ってくれるんでしょ?」 「おう!」 お互いに笑いあう。 葵とやっと心から打ち解けられた気がした。 『葵君〜どこだい〜』 廊下から父の声が聞こえてきた。 「やべ、行かなくちゃ……ん?」 私は無意識に彼の袖を掴んでしまっていた。