「爺に車出しを頼んだからな。しばらくここで待っていなさい。」


「ありがとうね、永井君。」


両親が葵君に礼を言う。



「優海さん!具合が悪いって?」


突然、会場からあの変態男が出てきた。


「あぁ、三浦君。優海、彼はね――」


「迎えの車か来たみたいなのでこれにて失礼します」


小悪魔な表情からまるで何かを毛嫌いするような表情に変わった葵君は、私の肩をぐっ、と掴んでこの場から歩きだした。


「あ、葵君…どうしちゃったの?」

葵君は私の話を聞いてもいないのか、


「あの変態野郎…」


口調が変わっちゃってるし…


「…まだ迎えの車来てないじゃない」


「…あ。…ついカッとなっちゃいまして…」


あんなに恐いオーラであの場から出てきたのに、このオチって…