「今行けば…あなたはあの男と婚約させられてしまいますよ」


「どういうこと?」


「僕がお嬢様を会場から連れ出していなければ、今ごろあの場所であなたは無理矢理婚約させられていたんです。」


じゃあ、葵君は私を助けてくれたっていうの?


「そんな事をしたら…これがバレたら葵君が大変な事になるのに」


「僕の事はいいんです。」

「でも!」


葵君はまた私を抱き締め、そして恥ずかしそうにこう言った。


「あの男がお嬢様に触れていた時…お嬢様を他の男に渡したくないと思ってしまったんです。」


葵君…それって……