「この手、へし折ってやろうか?」 私のお尻にあった手がなくなっていて、男の手は天井に向けてあげられていた。 「葵君っ!」 「おぼっちゃんだろうが俺は容赦しないぜ」 「っクソ」 チャラ男は苦しそうに顔ゆゆがめていた。 「葵君。いいよ、許してあげて。」 葵君はチャラ男から手を放すとボソッとつぶやいた。 多分、 「お前、命拾いしたな」 だろう。 男は真っ青になり逃げていった。 恐かった。…この人は私の知っている葵くんなの?