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怖い…

怖いよ…


私は身体の震えがとまらない。


唇も。キスされたのかと思うと気持ち悪くて仕方がない。


「優海」

そんな私に葵は自分のブレザーを掛け優しく抱き締めた。

「優海…ごめんな…」

どうして葵が謝るの?


「もっと早く気付いていれば…」


と言って私を強く抱き締めた。


どうして葵も震えているの?


すごい汗…走ってきてくれたの?


色々な事を考えていたら涙がとまらなくなった。


「葵…ありがとう」


私はへへっと笑って言った。

「無理に笑ってんなよ」


葵は真面目な顔でこう続けてきた。

「お前…今正気じゃいられないような事されたんだぞ?」

すごく……すごく苦しそうな表情だった。

まるで自分がやられたみたいに。


「葵…」

「今日はもう家に帰ろう」

うん。と返し、葵に擦り寄る。


こんな事してる自分が自分じゃないみたいだ。