私は葵君の手を握っている事をすっかり忘れていた。

会場についてから、
ドキドキしたまま後ろを振り返ってみると


真っ赤な顔をした葵君がいて…

「あの、お嬢様…」


「どうしたんですか?」


「……手」


はっ!!!

葵君の手を握ったままだった!

「ごっ、ごめんなさい。」
こっちまで顔が赤くなっているのがなんとなくわかる。

「いえ…大丈夫で…」
「お〜い、優海〜」


葵君の話途中に父の声が邪魔をした。

そろそろ時間のようだ。


「パーティー始まりますね。優海お嬢様、そろそろ行かないと。」

「そっ、そうね。ありがとう。」


私は父のもとへと急いだ。

あれ?

私葵君に15時からパーティーって言ったっけ?

言ってないような…


まぁ、いっか。