「葵君はどうして私を助けてくれるの?さっきも…今だって…」 目に涙がまだ溜まっている。 まだ先程の事が頭から離れないんだろう。 「それは…」 お嬢様、少し俺に勇気をください。 「僕がお嬢様の…」 どうかあなたを守りきる勇気を… 「専属執事だからですよ」 そして この貴方への気持ちを 恋と呼ばせてください。 …そうだよな。 俺は"お嬢様"の執事。 "有島様"の執事ではない。 俺がやるべき事はただ一つ。 お嬢様の願いを聞き入れること――――