「実は…迷ってしまって。この家は広いから。」
へへっ、と恥ずかしそうに笑う葵君につられて私も笑ってしまった。
「どこに行こうと思っていたんですか?よかったら私のパーティーに…」
…あれ?
……今、何時なの?
そうだ。パーティーは15時から…って私は何時間寝てたんだ?
「えっ、14時50分!?」
すごい声を出した私に、葵君は驚いていたけど、あたふたする時間は無い。
「葵君、私と一緒に来て!!!」
「ぅわっ」
私は彼の手を握って部屋を出た。
…あっ、タメ口聞いちゃった…それに葵君って呼んじゃった。
は、恥ずかしいな。

