ちっざけんなよ


死にたいだとふざけるな


死んだことあんのかよ


こっちは必死で生きてんだよ


身体ボロボロして神経すり減らして


全部妥協して生きてんだよ


夢叶えるために


俺のつくる映画誰にも文句言わせねえ


馬鹿にした奴ら火を着けて燃やしてやるよ

ふはは


俺もここまでか


苦笑いがとまらねぇ


空見上げたら涙が滲んだ


こんなはずじゃ なかったな


羽衣歌


どうしてるかな


死にたいなんて言うやつじゃなかった


羽衣歌はいつも楽しそうで眩しくて


俺の憧れだったのに


今は廃人みたいだ



まあ俺もおんなじか


心から笑えてる日なんて


ねーよ




映知は沈んだ泣きそうなカオで電車に揺られている


仕事は映像関係で会社勤めにうんざりしていた


仕事は不規則だし朝は早い


苦手な後輩と尊敬できない上司


この会社にいてもやりたいことできっかな…


映知はため息をつく


気持をざわつかする車内アナウンスが耳に飛び込んでいる


気持の整理がつかないまま


電車は会社最寄り駅に到着した