何…言ってるんだ…?
「あなたは…誰?」

その顔には、いつものような優しい顔はなかった。



「ゆい……?俺は…太郎だよ…?」


俺はゆいに声をかけた。



「太郎…さん?はじめまして…ですよね?」



さん…?


はじめまして……?


俺は何が何だか分からなくなった。



「よくわたしの名前、知ってましたね!同じ学校の人ですか?」



俺はその笑顔で気づいた。



ゆいは………俺のこと、覚えてない。




俺はその後、病院の先生に呼ばれて病室をでた。


俺は一時的な記憶障害だと思った。


だけど、予想もしなかった言葉が耳に入ってきた。


「記憶が…戻る確率は数パーセントです………」


あ然とした。




ゆいの記憶はもう…戻らない……?


「そっ…そんな…どっ……どうにかならないんですか!?」


俺は聞いた。



「私達の力では、どうしょうもありません……」



俺は頭を下げ、また病室に戻った。



本当に……



忘れてしまったのか……?




「太郎さん?どうかしたんですか?」


ゆいの優しいとこは全然変わってない。



あの温かな笑顔も…



性格も……




そんなことを考えてるうちに、いつの間にかゆいを抱きしめていた。



離したくなかった。





「ゆい………っ」



そんなとき誰かが病室に入ってきた。