ドキン・・・

太郎ちゃんは優しい。

そういうところ、大好きだよ。


「おーい!西野~!!


「あっ!はい!!」


太郎ちゃんを呼ぶ声がする……

部活の先輩かな…


いっちゃやだ……


一緒にいて……


こんなこと、考えちゃいけないって分かってる。


わたしが俯いてると、

「ゆいっ!じゃ、またあとで話そうな!!」



でもね


太郎ちゃんがまたあとでって言ってくれることが、すごく嬉しいんだ。


「うん!またあとでね!」


わたしがそういうと、振り返ってにかっと笑ってくれた。


わたしはまた走り出す太郎ちゃんの背中を見つめた。