タッタッタッ……


その足音で廊下を歩いていた生徒が振り返る。


その足音の主はわたし、香坂ゆい。


今わたしは先生に頼まれた書類を職員室に届けに行くところなのです。


そんなわたしの耳に、


「わぁ…香坂さんだぁ……。毎日頑張るよねー」


「えらいよねぇ」


そんな声が聞こえてきた。



わたしはべつにそんなこと言われたくてやってる訳じゃない。



これはわたしの役目だから……


わたしは頑張るのが好きなんだ。


そのとき、



「重くないか?」



わたしの後ろでそんな声が聞こえた。