アースルーリンドの騎士 番外編ファントレイユとの出会い

ソルジェニーは、

少し呆れた。

彼はそれは遠回しに、

“自分は決闘で、

怪我なんかする程剣の

腕は劣っていない"と、

告げたのだ。

その言い回しも、

あんまり控えめで、

ソルジェニーは彼が

なぜ自分の護衛に

選ばれたのか、理解

出来たような気が、した。

彼は確かに、人目を

・・・特にご婦人の・・・

引きまくったが、

ソルジェニーに対する

その態度も、言葉遣いも、

とても控え目で気遣いに

溢れていたし、

これ程浮ついた視線を

送られ続けても職務を

きちんと理解して遂行

している所も・・・

申し分無かったからだった。