サヨナラのカタチ





いい時間になったので現地解散。

そして家に着くと同時に震えたケータイ。


開くと千絵からのメールで。

しかも一斉送信。

送信先には瑠実の名前も入っている。



内容は、ごく簡単なものだった。

それなのに私に与えた衝撃は、

『簡単』なんて言葉じゃ済まされなかった。






『私、今日一緒にいて気づいた。

新島先輩のこと…スキだ』





なぜか、目頭が熱くなって。

胸が苦しくて。


ああ…やっぱり…


スキなんだ、そう続けられたら良かったと思う。

でも、言えないよ。


仲のいい千絵が

先輩を好きだって言うんだもん



『海ちゃんのこともあるけど

千絵のこと、応援するよ!』


そうメールを作って、

迷う間を作らず送信ボタンを押した。


こんなにも、痛感したことはない。


『言ったもん勝ち』


誰だと言うのだろう。

この言葉を最初に発した人は。


この人も、今の私と同じように苦しかったに違いない。