「なんですか、それ」
「ま、いいじゃん、どっちでも」
相変わらず先輩は笑っていて。
多分、これ以上聞いたところで先輩は何も言わないだろう。
そう判断した私は質問を変えた。
「海ちゃんと…どうなんですか?」
「なかなか直球な質問だな」
「純粋なんで」
「どの口で言ってんだよ」
えへへ、と笑う。
さっきの質問の意味はこうだ。
最近海ちゃんからいろいろと聞いている。
先輩とわざと時間を合わせて一緒に帰ったりだとか
買い物に行ったりだとか…まあいろんな話を海ちゃんが教えてくれた。
だから機会と勇気があれば聞きたかった。
「どうもこうもないよ。
ただの後輩」
「ホントですかあ?」
「ホントだって。」
冗談混じりに疑ってみたりもしたが
それでも先輩は表情を崩さない。
この人、ホントに腹の底が読めない。


