そうして
季節は流れ、秋に…いや、冬に近い秋になっていた。
3年の先輩たちは引退して、
受験組は受験勉強。
すでに進路を決めた先輩方はたまに部活に顔を出していた。
新島先輩は指定校で大学を決めて、
週に2日ほど部活に参加していた。
「今日映画観に行かない?」
「いいね~!
行こう行こう!」
ある日、2年女子3人で練習のあと、映画を観に行くことになった。
と、そこへ
「俺らも行っていい?」
新島先輩ともう1人の先輩と2人がやってきてそう言った。
どうする、
と顔を見合わせてアイコンタクト。
反対意見はなさそうだ、
と勝手に判断した私は
「大丈夫ですよ」
そう言った。
新島先輩と…映画。
ドキドキしなかった。
なんてウソ、つけるものならつきたいと本気で思った。


