「…もしわたしが研修行かないで、って言ったら日本に残ってくれる?」
返事がまったく思ってもみなかった言葉で返ってきたが、
僕は動じず首を横に振った。
「やっぱり…そうだよね。
わたしが好きになった優くんは、
そういう人だもんね。」
麻衣はボロボロと涙をこぼしながら笑顔を見せる。
「別れたくない、なんてわたしが言ったところで
優くんは変えられないもんね。
だから、言わないよ」
「麻衣…」
「でも、ワガママ…言っていい?」
麻衣は僕を見つめる。
「優くんと…ッ…ずっと一緒にいたいよ…ッ…」
顔を手で覆う麻衣。
矛盾してる、なんてことは思わなかった。
…思うワケが、なかった。
だって僕自身も別れよう、
と言いだしたくせに
麻衣とずっと一緒にいたいと思ってるんだから。


