飛べ、俺。


「なに?」


下を向くと、彼女はほんのり赤い顔で俺の目を見ようと必死で上を向いている。



「あのね、
成田くんの友達じゃないよ?」



は?



「成田くんが誰と勘違いしてるか分かんないけど。」



え?

「佐竹じゃねーの?」



「え、佐竹くん?


絶対違うよ!

何でそう思ったの?」


絶対違うのかよ!?


でも…、

「佐竹が俺のところに来てたらいっつもこっち見てなかった?」


佐竹がいる時といない時じゃ、明らかにこっち見てる確率が違うし。


「それは…、


佐竹くんが私の友達の…彼氏だから…。


だからちょっと気になってたの。」



佐竹が友達の彼氏?





「あいつって彼女いたの!?」


確かに最近ノリ悪くなったけど…



いやいや、でもそんな話聞いてねーぞ?!


「その友達ってうちの高校のやつ?」


「うん。」


ま ジ で ??!!!



そんな噂いっこも流れてねーじゃねーか!!

あいつ、顔いいからモテるし、彼女とか出来たらすぐ噂になるのに!!