飛べ、俺。



「それに〜…」


指を折りながら必死で自分の悪いところを探す彼女。



俺、髪の色しか同じとこねーじゃんか…。


俺だって彼女とは正反対なのにな。



「あとね、背も私の方が低いしね、目だって私の方が小さいしね、足もね………

「俺はそんなところがかわいいと思うよ。」





「え?」


「俺は、そういうとこに引かれたよ。


小さくて、髪が黒くて、まじめで、優しくて、いつも笑ってるところに引かれた。」


「………えっと?」


「だから、…………」



そんな鈍感な奴やめて、



俺にしてよ………




「だから、いいとこいっぱいあるんだから、頑張れよ!」



言えるわけねーじゃんか…。



あーあ、

人生初の告白は失敗に終わったな。




「じゃ、俺行くわ。

そいつとの事で相談とかあったらいつでもして?


いいアドバイスとかは出来ないかもしれねーけど、ちょっとは気休めになるだろうから。」



無理矢理笑顔を作って、教室を後にしようと彼女に背を向けた。