「あ、あのなぁ…」

火野上は、困ったように顔をくしゃっとさせ・・・

どーーーん。

と、勢い良く胡坐をかいた。


尻、痛そうねぇ…


「あのな…だからだなぁ…」

「だから何よ」

「つまりだなぁ…」

「つまり何よ!」

「あーーー・・・」

「さっさと言いなさいよ! 岬っちゃんをどうするツモリ? さっきの楠木君といい、悪いのは、見た目と態度だけじゃないようね・・・どういう性格をしているのよ。火野上君…」


あ、あ、あら…強加月間…

私の代わりに、響加が火野上に詰め寄っている。

口での勝負は、多分、響加の方が上だと思う。

うん。


火野上は、ぽりぽりと頭を掻き毟りながら、罰が悪い顔を楠木に向けている。

楠木は、知らぬ顔でそっぽを向いているけど…


「だからな…」

「はい?」

「ストーカーされてるんだよ。こいつ…」

そして、火野上は楠木を指差した。

楠木は、表情を変えなかった。


こっちは、崩れっぱなしだったけど・・・