私がガッツポーズを決めている前で、響加は、相変わらず本に夢中。

「ねぇねぇねぇ~何で楠木今日も休みなん?」

「さぁ…」

「誰か話していなかった?」

「さぁ…・・・ふぅん、夢判断も、やっぱ深層心理って言うだけあるわね…

こうして見ると、外れてないように見えるわ」


本を読みながら曖昧に答える響加。

本を読みながら言っている内容って、どっちかというと、独り言なのよねぇ~~

んもっ

相手してくれない・・・




ぽりぽりぽり。

ぽり。

弁当を食べたばかりなのに、お菓子って食べたくなるわよね…




ぽりぽり。

「岬っちゃん。鷹を夢に見なさいよ」

ぽろっ…

な、何だ?

思わず、お菓子を落としてしまった私。

あんぐりと口を開いたまま、響加を、ただ見る。

「ふふ…ね? 鷹よ鷹」

あ、…いや、だから、そんな綺麗に微笑まれたら照れるぢゃない!

って、何を言っているんだぁぁぁぁっ



「きょ、響加!?!?!?」




「勝利・どう猛さ・上昇・・・・」

「ん?」

「これ以上どう猛になるのもどうかと思うけど、勝利はいいじゃない。

他に見つからないし……面白くなってきたわね…これでライバルを撃退よ!!!」


あ、あんぐり…

空いた口が塞がらない。

唐突にこの子ったら、綺麗で色っぽい上に、天真爛漫なんだからっ。

「響、響加は夢見ないの?」

「勿論見るわよ? 他人の夢を弄くるから面白いんじゃない」



・・・・。

何だ、遊ばれていただけか…

見たい夢見れたら困らないもんね☆

見たい夢…か。

また、出てこないかな…楠木。

そしたら、今度こそ、・・・せめて、夢の中でも、返事をしてみたいよ。