火野上は、エビ煎餅の袋の口を、強引に自分の方向に向かせて、一枚、一口で口の中に入れると、胸ポケットにある手帳を、丁重に取り出した。

ぺらぺらぺらと・・・

適当にめくっている。

なに?? ナニナニ???

実は、こいつも情報屋だったりするのかい??

響加は携帯だけど・・・

って、火野上って、来たばっかりだったっけ・・・

デカイからつい・・・忘れていたわ。


「まぁ、犯人がどうとかは別として・・・お前、これ、やるよ」


そして・・・

火野上は・・・

手帳の中に挟まれている・・・

一枚の小さな小さな便箋を取り出して、響加に手渡した。



きゃーーーーーラブレターっすか!?!?!?!?

何て、顔に似合わない古典的な手段!!!!


思わず、火野上の顔を見てしまう私。

火野上は、何だか、不敵に微笑んでいた。

火野上は、響加が便箋を空ける前に、楠木の肩を抱くようにして、去っていった。

まてよ。


あの不敵な笑みが気になるわ。

もしかして・・・

中に剃刀とか入っていたりしないでしょうね!!!!

「響加っ」






響加は、空けた便箋の中身を見つめたまま、時が止まっていた。

不思議に思い、私は、響加に擦り寄る形で便箋の中を見る。

そこには・・・


黒と、灰色と、白が入れ混じった一枚の小さな羽根が・・・収められていた・・・


「はぁぁぁああ??」


「・・・そうね岬っちゃん。良いカンをしていると思うわ。・・・多分、これは、アマツバメの、羽根・・・」




響加が、ごくりと喉を鳴らす音が、聞こえたような気がした。