「思音っ・・・・。」

優真は心配そうな顔をして、何かを言おうと口を開けた。

でも、思音の言葉は止まらない。

「思ってもいないこと言っちゃった・・・。」

優真の顔、見えてなかった。

あふれる涙で視界が歪んで・・・。

「大丈夫だよ、ちゃんと謝れっ・・・」

「駄目・・・もう駄目。なんて嫌な子なんだろ、思音。」

優真の言葉をさえぎって、思ってること、全部こぼれる。

「思ってなくても、言ってしまったらもうそれは・・・。真衣ちゃんの心に刺さったまま・・・。」

真衣ちゃん、すっごくいっぱい泣いてた。あれは思音のせい・・・。

「思音は・・・サイテーの人間だ・・。」

すべてが崩れる。

改めて自分のサイテーさを知った。

その瞬間足が崩れて、思音は砂の上にしゃがみ込んでいた。

世界は真っ暗。

こんな自分が見る世界は・・・・当たり前に真っ暗なんだ。

こんな人間に光なんてさしてはくれない・・・。