「いつの話だよ、いつの」

「幼稚園の時。あ、そうだ!蒼、あんた放課後、どうせ暇でしょ?取材に付き合いなさいよ!」


「いや、何でそうなる?」


莉華の突拍子もない提案に、俺は思わず本気で突っ込んだ。


昔から莉華といると調子が狂う。


いつの間にか面倒なことに巻き込まれて、貧乏くじを引くのはいつも俺。


そんな俺の気持ちなんて知る由もなく、莉華は当然のごとく続けた。



「何よ。どうせ暇なら別にいいじゃない」


「暇だなんて誰が言った?」


「じゃあ予定あるの?」


「それは、…ねぇけど」


「ほらね。決まり決まり!授業が終わったら迎えに行くから、逃げないでよ」



あー、面倒くさい。

本当に面倒だけど。



「分かったよ。付き合えばいいんだろ!」



何故だか、コイツには逆らえないんだよな。


ガックリと肩を落として、俺は仕方なく莉華の後を追った。