「ごちそうさま。じゃ、行ってくる!」 「あ、蒼、待ちなさい!あなた進路希望の書類まだ提出してないんですって?先生から連絡があったわよ」 思わぬ台詞に、俺は一瞬動きを止めた。 恐る恐る、母さんの方を振り返る。 「げ、マジ!?」 「あなた、高校2年にもなって志望校も決まってないなんて、将来どうするつもり!?」 「あー、その内決めるって。じゃ、遅刻するから!」 まだブツブツと小言を言っている母さんを無視して、俺はマンションを飛び出した。