車が込んでいる道路。

人々が行き交う横断歩道。

見上げると、そこまで遠くない

赤っぽい空。

「カイト」

いつの間にか横に教官がいる。

「日本だ。ここは神奈川」

「これが最後の修行だ。

これに合格したら、

お前は本物の天使になれる」

そう言って教官は消えた。

___ ここが日本か… ___

地上に下りて足を着け、歩いてみる。

____ ドンッ ____

いってぇなぁ……

振り返ると制服を着た女が

こっちに振り返りもせず

向こうへと歩いていく。

もし俺がもっと穏やかで

キレっぽくなくて

もっと頼りになる性格だったら、

あの女に辛い想いさせなかった

のかもしれねえ。